■ □ ■ sunuの茶縁 ■ □ ■

◇ DATA ◇





氣紛れ用語集
(引用文献 : 藤堂 明保 編 『学研 漢和大字典』 株式会社学習研究社、1978年4月1日初版)
気、氣 ◇ 理




 気(教育漢字)、氣(旧字体)

■音
 ケ(呉音)、キ(漢音)

■意味
 1.《名詞》いき のどから屈曲して出てくるいき。
   異音同義の親字・熟語:息。「気息」、「呼気」、
   「屏気似不息者=気をおさへて息せざる者に似たり」『論語』「郷党」篇

 2.《名詞》固体ではなくて、ガス状をしたもの。
   補説:とくに蒸気のことは汽という。
   異音同義の親字・熟語:「気体」、「空気」、
   「天朗気清=天はうららかに、気はむ」、
   「気蒸雲夢沢=気は蒸す、雲夢うんぼう沢」孟浩然『臨洞庭』

 3.《名詞》人間の心身の活力。
   異音同義の親字・熟語:「気力」、「正気」、「養気=気を養ふ」、
   「気壱即動志也=気、壱ならば、すなはち志を動かす」『孟子』「公上」

 4.《名詞》漢方医学で、人体を守り生命を保つ陽性の力のこと。
   異音同義の親字・熟語:「衛気(人体をとりまいて守る活力)」

 5.《名詞》天候や四時の変化をおこすもとになるもの。
   また、陰暦で、一年を二十四にわけた一期間。二十四気。
   異音同義の親字・熟語:「節気」、「気候」、「天気」

 6.《名詞》人間の感情や衝動のもとになる、心の活力。
   異音同義の親字・熟語:「元気」、「気力」、
   「少年剛鋭ゴウエイ(若者の強い気力)」

 7.《名詞》形はないが、なんとなく感じられる勢いや動き。
   異音同義の親字・熟語:「気運」、「太平タイヘイ」、
   「兵革ヘイカク(戦争のおこりそうな感じ)」

 8.《名詞》偉人のいる所にたち上るという雲気。
   異音同義の親字・熟語:「望気術(雲気を遠くから見て、運勢を定める術)」、
   「吾令人望其気=吾、人をしてその気を望ましむ」『史記』「項羽」

 9.《名詞》ソウ学で、生きている、存在している現象をいう。
   補説:存在するわけを理という。
   異音同義の親字・熟語:「理気二元論」

 10.《名詞》[俗語]かっとする気持ち。
   異音同義の親字・熟語:「動気(かっとする)」


■漢字の成り立ちの解説
 部首である4画の"气"は、
いきが屈曲しながら出てくるさま。
 氣は「米+音符 "气"」の会意兼形成文字で、
米をふかすときに出る蒸気のこと。
 乞、キツ(のどをつまらせていきをはく)−
 嘅、カイ・ガイ(のどをつまらせてげっぷを吐き出す)−
 慨、カイ・ガイ(のどをつまらせてため息をはく) などと同系のことば。


■異字体関係
 【炁】は「氣」の異字体。


■古訓資料
 イキ・ケハヒ・タナビク(『類聚名義抄(観智院本)』)


■人名としての訓読み
 おき
▲ TOP




 武

■音
 ム(呉音)、ブ(漢音)

■意味
 1.《形容詞・名詞》たけだけしい(たけだけし)
   荒くて勇ましい。力で相手をおさえる行いや気持ち。
   →文に対することば。
   類義語:猛・勇。「武勲」「文武兼備」

 2.《名詞》戦争。また、戦争のための兵器や兵士。「武備」

 3.《名詞》勇ましく前進する歩み。
   「歩武(あゆみ)」「歩武堂々(足どり勇ましく進むさま)」

 4.《名詞》前に行った人の足跡。また、前人が行った物事のあと。
   類義語:歩。

 5.《名詞》一歩(ふたあし)の半分の長さで、昔の三尺。
   ⇒「歩」は、長さの単位で、一歩は昔の六尺。

 6.《名詞》周の文王を文というのに対して、周の武王のこと。
   「文武周公(文王・武王・周公)」

 7.《名詞》周の武王のつくった音楽。
   「謂武、尽美矣、未尽善也
   =武をはく、美を尽くせり、いまだ善を尽くさざるなり」『論語』「八佾」


■漢字の成り立ちの解説
 「戈(ほこ)+止(あし)」の会意文字で、戈をもって足で堂々と前進するさま。
 ない物を求めてがむしゃらに進む意を含む。
 「春秋左氏伝」宣公十二年に「とどむるを武となす」とあるのは誤り。
 賦(求める)−慕(求める)− (さぐる)−バク(馬がむやみに前進する)
 −(むやみにつきかかる、ののしる)などと同系のことば。


■古訓資料
 アト・シノク・タケシ・ツク・ツト・ツハモノ・トラ・フム・ホト
『類聚名義抄(観智院本)』


■人名としての訓読み
 いさ・いさむ・たけ・たけし・たける・たつ・ん
▲ TOP






| TOP | NEWS | DATA | LINK |

Copyright© 2005-2009 sunu All rights reserved.